漱石と小天(おあま)温泉
夏目漱石は熊本時代に小天(おあま)温泉(玉名市)へ旅をしています。それで、その後「草枕」として漱石の代表作になったものですね。「山路を上りながらこう考えた。智に働けば角が立つ。情けに棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世はすみにくい。住みにくさが高じると、安いところへ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生まれて、画ができる。」とは有名な一説ですよね。
夏目漱石は「坊ちゃん」でよく知られています。明治29年に熊本の第5高等学校師範講師で4年間を熊本で過ごしているということです。「草枕」は小天(おあま)温泉旅行を小説にしたものです。前田家別邸に同僚と二人で宿泊したときのことが題材になったものだということです。温泉は半地下のようなところに「男湯」と「女湯」がつくられています。当時はポンプなどがなく源泉よりも湯漕を低くして流下させるためにつくられたようです。それで、「男湯」は「女湯」よりも温度が高いということで、ぬるくなった「女湯」を避けて女の人が男湯に入ってくるのを目撃してしまうわけなんですね・・。それが「おあま」温泉・・。
それで、「山路を登りながらこう考えた・・」という冒頭の坂道というのは、「鎌研坂」という坂だということですが、坂はハイキングコースにもなっているということです。考えごとをしながら登る坂にしては、ちょっと骨の折れる坂道であるとか・・。「鎌研坂」は、当時のままの自然歩道であるということです。が・・。
熊本から小天への道中では「茶屋」もでてきます。「鎌研坂」を抜けたところが「鳥越の茶屋」ですね。しかし、今は井戸跡があるばかりということで、当時をしのばせるものはそれだけですが、現代でも茶屋が営まれているといいますよ。
温泉は、平成9年に公営温泉「草枕温泉てんすい」ができたということです。眺望がよく、遠く有明海や普賢岳、佐賀平野も望めるということで、みかんの湯や草枕の湯、露天風呂などが楽しめます。